香りは鼻から脳へ伝わり、私たち人間の本能的な部分を司る大脳辺縁系という場所に届きます。
本能ということは、『理屈が通用しないところ』ともいえます。
いくら他人にパクチーの美味しさを力説されても、パクチーが嫌いな人は口に入れたくないでしょう。
納豆がどんなに身体に良いとわかっていても、納豆の香りが苦手な人は避けたいはずです。
カビ臭い場所は反射的に息をひそめますし、腐ったものは体が拒否反応しますよね。
そんな風に好き嫌いが明確で、生命を守る反応が反射的にでき、自分の感覚に嘘がつけないのが嗅覚です。
そして大脳辺縁系という場所には、情動を司る部分もあります。
ですから理屈抜きの自分の好きな香りには、安心感や幸福感をもたらす作用さえあるのです。
嗅覚は五感の中では最速で脳へ届くので、
緊張が抜けない時や不安が強いような時にも、いち早く体をリラックスへ導きます。
ですが、そんな理屈抜きの好きな香りに出会うには、実際に嗅いでみなくてはわかりません。
他の誰かがリラックスできるという香りが、自分の好きな香りとは限らないからです。
今の自分にピッタリくる香りが必ずあります。
そんな香りに出会えたら、きっと心強い相棒になってくれるはずです。
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